17 Mar 2007

News : バイオ燃料

 
アフリカでバイオ燃料開発へフォーラム発足
http://www.chemicaldaily.co.jp/news/200703/13/04101_4138.html
日本の協力によって、アフリカ地域で植物由来のバイオ燃料を事業化する
ことを目指して、アフリカの大使館および日本側の関係者が情報・意見交換
を行う「アフリカ・バイオフュエルフォーラム」が発足、あす14日に第1
回会合を在京ケニア大使館で開く。化石燃料の高騰や地球温暖化を受けて、
トウモロコシやサトウキビなど作物由来のエタノールなどが世界的に関心を
集めている。北米・中南米のバイオエタノールや欧州でのバイオディーゼル
が先行する一方で、農業従事者の比率が高く肥沃な土地を有するアフリカ地
域も今後、バイオ燃料開発の拠点となる可能性を秘めている。

バイオディーゼル燃料の利用推進へ協議会 京都市長ら
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200703160016.html
使用済み天ぷら油や菜種油を使った「エコ燃料」のバイオディーゼル燃料
(BDF)を普及させるため、全国の自治体やNPOなどが「全国バイオデ
ィーゼル燃料利用推進協議会」をつくり、品質規格作りや優遇税制の導入に
取り組む。19日、東京で設立総会を開き、桝本頼兼・京都市長が会長に就
く予定。
二酸化炭素を吸収した植物から作るBDFは、トータルでみると二酸化炭
素の排出を増やさないとされる。利用が広がるなかで、品質の格差や製造過
程で出る廃棄物の不適切な処理も問題化。経済産業省は軽油に5%以下のB
DFを混ぜた規格を策定したが、混合率20%や100%を使う例も多く、
安全に使える品質確保の必要性が高まっていた。
同協議会は京都市長のほか、菜の花プロジェクトネットワーク(滋賀県安
土町)の藤井絢子代表らが呼びかけ人になり、宮城、滋賀、愛媛の各県のほ
か、全国から約50の団体や企業が参加する。BDFでダカールラリーを完
走した片山右京さんも名誉会員に加わる。
京都市は97年の地球温暖化防止京都会議をきっかけに家庭などから出る
廃食油の燃料化に取り組み、ごみ収集車や市バスの燃料に使っている。

民間と自治体、バイオ燃料普及へ連携
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070316AT2G1401016032007.html
地球温暖化対策として有力視されるバイオディーゼル燃料の普及を目指した
民間企業と地方自治体などの連携組織が19日に発足する。三菱ふそうトラック・
バスや荏原、日立造船のほか京都市や滋賀県などが参加。軽油に混ぜてバイオ
燃料を使う際の規格を統一するほか、課題のコスト高の解消を目指す。
発足する組織は全国バイオディーゼル燃料利用推進協議会。約40の企業・団
体で構成する。バイオディーゼル燃料は菜種や廃天ぷら油などから 作る。バス
やトラックなどを改造しないで利用できる。ただ軽油にどの程度、バイオ燃料
を混ぜるのかなどの規格は地域によって違う。廃天ぷら油の回収にコストがか
かる問題もあり、本格的な普及には至っていない。

バイオ燃料開発企業、500万ドルの資金調達--環境ビジネスへの投資が活
http://www.yomiuri.co.jp/net/cnet/20070315nt0b.htm
自然の営みを模倣した新たな燃料作りに取り組むハイテク燃料企業、LS9は、
米国時間3月12日、500万ドルの資金調達に成功したと発表した。化石燃料の代
わりとなる燃料を植物や微生物から抽出する研究が活発化する中での動きだ。
LS9は、合成石油や石油ベースの工業製品を「再生可能な石油(renewable
petroleum)」と名付け、その開発を目指している(同社はRenewable Petroleum
という名称を商標登録している)。
合成石油について、支持者たちは、単位量あたりのエネルギーがエタノール
より大きいうえ、現在世界中を走っている膨大な数の自動車でそのまま使用で
きると、そのメリットを強調する。また、地中から発掘する原油から精製され
る通常のガソリンに比べて、二酸化炭素の排出量も少ないとのことだ。
SolazymeやLiveFuelsなどの新興企業は、藻類から合成石油を作り出す計画
をすでに発表している。両社によると、群生する藻類が二酸化炭素やその他の
化合物を吸収し、それらの化合物を代謝して石油に変化させるのだという。
これに対して、LS9は、合成生物学を利用して石油を生成するとしている。
合成生物学とは、実験室や工業生産で用いられるプロセスを応用し、藻類や微
生物と同じ機能を実現するという研究だ。これが実現すれば、生きた単細胞生
物に依存せずに石油が生産できる。理論上は、この製造プロセスを用いること
で、生産性能の強化や制御もより容易になるるはずだ。ある意味で、LS9の試み
は、生物の類似物から石油の類似物を作り出そうとするものと言える。
LS9の取り組みの大部分は、スタンフォード大学植物生物学教授のChris
Somerville氏とハーバード・メディカルスクール遺伝学教授のGeorge Church
氏の研究成果をもとにしている。Somerville氏はCarnegie Institutionのディ
レクター、Church氏はマサチューセッツ工科大学とハーバード大学が共同運営
する米エネルギー省GTL(GTLはGenomes to Lifeの略)Bioenergy Research Center
のディレクターも務めている。LS9の主な出資元は投資会社のKhosla Ventures
で、同社のパートナーであるDoug Cameron氏がLS9の最高経営責任者(CEO)代
理を務めている。
Khosla Venturesは、合成生物や自然界の生物が持つ力の利用に取り組むさ
まざまな企業に出資し、比較的短期間のうちに、微生物派とでもいうべきグル
ープを形成した。同社が出資している企業には、シロアリの代謝過程を模倣す
ることでエタノールを生成する方法の開発を目指す、カリフォルニア工科大学
からスピンアウトした企業のGevoもある。また、Khosla Venturesは、微生物
を利用して余剰農作物やその他の植物をエタノールに変換する工場をニューヨ
ーク州に建設しているMascomaの主要な出資元でもある。
さらに、カリフォルニア工科大学の教授であるMel Simon氏が設立した工業
用酵素のメーカーで、Diversaに買収されたCelunolにも、Khoslaは出資してい
た。Simon氏は、Gevoに対し、シロアリを模倣するアイデアを勧めた人物でも
ある。
LS9が持っている専門的知識のほとんどは、燃料に変換される原料や植物の
機能を高める技術に関するものだ。しかし同社は、学術機関やDiversaなどの
企業と共同で、合成燃料の開発に取り組もうとしている。
合成生物学を応用した燃料生産を目指す企業は、LS9のほかにも数多くある。
新興企業のAmyris Biotechnologiesは、合成生物学を使ったマラリア治療薬を
生み出したが、同じ方法を用いたジェット燃料の開発にも取り組んでいる(Khosla
Venturesはこの企業にも出資している)。また、ヒトゲノムの解析に関わった
Craig Venter氏は、Synthetic Genomicsという企業を設立し、自然生物学と合
成生物学の活用に取り組んでいる。(CNET Japan)