20 Mar 2007

Japan Biofuel News

バイオディーゼル燃料事業化へ/山口
http://www.ubenippo.co.jp/one.php?no=3881
宇部市東岐波の知的障害者更生施設・日の山のぞみ苑(渡辺幸恵施設長)は十六日、軽油の代替燃料「バイオディーゼル」の精製装置を導入し、試運転を行った。バイオディーゼル燃料は廃食用油や植物油が原料で、環境意識が高まる中で注目を集めている。同施設では、入所者の新しい作業として取り入れることにしている。
のぞみ苑が導入した装置は、家庭用の洗濯機を一回り大きくしたサイズ。百リットルの廃油を六時間かけて、かくはん・薬品処理し、九十−九十五リットルのバイオディーゼル燃料を作る能力がある。同施設では今後、装置にかかわる操作の習熟、廃油の入手先や製品納入先の確保に努め、事業化を目指す。

【写真】バイオディーゼル燃料作りに取り組む日の山のぞみ苑のスタッフ(同苑で)
【写真】廃食用油(左)と、精製されたバイオディーゼル燃料


乾燥に強いバレイショの新品種開発バイオ燃料にも期待/北大大学院岩間教授【北海道】
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/bulletin8/article.php?storyid=845
【石狩広域】乾いた土壌に強く、高収量が期待されるバレイショの新品種を、北大大学院農学研究院の岩間和人教授(作物学)が開発し、農水省からこのほど種苗登録を認可された。乾燥抵抗性の高いバレイショの育成は世界でも初の取り組み。地球温暖化で乾燥化が進む開発途上国などから注目と期待を集め、すでに中国、インド、トルコの研究機関などに種芋が送られ、増殖に向けたテ
スト栽培が始まっている。
バレイショは米や小麦などに比べ根の張り方が浅く、根の長さと重さである根量も少ない。このため土壌乾燥下では十分に水を吸収できず、収量が低下してしまう。
根の問題に着目した岩間教授は、1991年から品種改良に着手。わが国で最も栽培面積が多い「男爵」とでんぷん原料の「コナフブキ」を交配させ、北大農場などで10年以上かけて育種、選抜を重ねた結果、根量が多い新品種「根優(こんゆう)」1—4号の開発に成功した。
「根優」の収量は、水が十分ある条件下では「コナフブキ」と大差なかったが、水不足の場合は1.5倍を記録した。でんぷん含有量が多いため、食味は粉っぽいなど「男爵」より劣るが、味付け次第では西洋料理に向いているという。
今後は病害虫にも強い品種へ、一層の改良を加え、道内外の試験場や開発途 上国などで栽培の輪を広げ普及を目指す。でんぷん質が多いため、バイオエタノールの原料としても期待できそうだ。
同教授は「地球温暖化は30年後には危機的な状況になる恐れがあり、乾燥地域での主食の確保を目指して息長く改良を重ねていく」と話す。さらに「干ばつ年でも安定的な収量を見込める品種として、わが国でも期待できるのではないか」という。


5カ国プラスEC、国際バイオ燃料フォーラムを設立 2007/03/19
http://www.janjan.jp/world/0703/0703181896/1.php
【国連IPS=ハイダー・リズヴィ、3月2日】
米国、中国、ブラジル、インド、南アフリカ、ECの代表は、3月2日国連において、バイオ燃料の生産/使用拡大を目的とする国際バイオ燃料フォーラムを立ち上げる旨発表した。同フォーラムは、バイオ燃料の国際市場創設を目的にバイオ燃料主要生産国と消費国の対話メカニスム構築を図るもので、初年度は定期会合を開き、国際基準、インフラ、ロジスティックス、製品の商品化/流通などについて話し合うという。
米国務省西半球問題担当のトーマス・シャノン次官補は、発表に当り「再生エネルギー資源へのアクセスは、社会/経済問題に対処するための基本と理解している」と語った。
ブラジルのアントニオ・パトリオタ代表は、「バイオ燃料を使用することで、途上国では輸入石油依存の大幅削減、貿易不均衡の是正、社会インフラ投資の拡大が、また発展国では、エネルギー安全の確保と温室ガス排出の削減が可能になる」と述べた。また、「関連技術の研究開発に対する投資も活性化され、エネルギー使用システムの転換も加速化される」と語った。
中国のLiu Zhenmin代表は、「フォーラムへの参加を喜んでいる。バイオ燃料の使用/販売拡大は、社会経済開発に役立つだけでなく気候変動の抑止にも繋がる。温室ガス排出は中国の長期目標であり、バイオ燃料の使用に着手する。
しかし、それが唯一の資源ではない」と述べた。
ECのエサ・パアシビルタ代表は、フォーラム設立を"大きな前進"と讃え、バイオ燃料使用は温室ガスの排出削減に貢献できると語った。また、インド石油/天然ガス省のR.K.メータ氏は、フォーラム参加の動機について、「単にエネルギー安全のためだけでなく雇用創出の目的もあった」と説明した。
ブラジル代表によれば、現在ロシアと接触中で、モスクワ政府も参加の意向を示しているという。(フォーラム創設を主導したブラジルは、2008年6月にバイオ燃料国際会議を開催する予定。国連も、12月バリで気候変動に関する会議を開催することになっている)
国際バイオ燃料フォーラム設立について報告する。(原文へ) 翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩


急増するバイオ燃料需要 商品部・志田富雄編集委員(3月19日)
http://www.nikkei.co.jp/news/kakaku/column/20070316e1j1500615.html
エタノール(エチルアルコール)をはじめとするバイオ燃料の需要が急増し、トウモロコシなどの原料とともに取引価格が上昇している。京都議定書で決まった温暖化ガスの排出削減につながることなどが理由。しかし原料確保などの課題を残したまま、数値目標が先行する側面は否めない。しわ寄せが農産物需給の逼迫(ひっぱく)と価格上昇に表れている。
生物由来のバイオ燃料は廃木材などを集めて工場で使うものが進んでいるが、今後の焦点は自動車向けだ。主にトウモロコシやサトウキビからエタノールを作ってガソリンに混ぜるものと、菜種油やパーム(ヤシ)油を原料にしてディーゼルエンジンに使うバイオディーゼルに分けられる。日本や米国は前者、ディーゼル車の普及が進む欧州では後者が多い。導入が始まったばかりのため各国が目標
とする混合率もまちまちで、エタノールを3%混ぜたガソリンは「E3」、バイオディーゼル10%混合燃料は「B10」と呼ばれる。
バイオ燃料の普及には幾つかの高いハードルがある。まず生産効率の向上と需要に見あう原料が確保できるかどうか。米ブッシュ政権は1月の一般教書演説でエタノールなどの再生可能燃料を今後10年で350億ガロン(1米液量ガロン=3.78リットル)と約9倍に増やし、ガソリン消費量を2割減らす計画を打ち出した。
ただ最新の工場でも1ブッシェル(25.4キログラム)のトウモロコシからできるエタノールは3ガロン程度という。効率の高いトウモロコシを原料に使っても目標達成には世界最大の生産国である米国がもうひとつ必要になる計算だ。それでも米国1カ国分の需要に過ぎない。
さらに現在の技術ではエタノールの製造過程と、トウモロコシなど原料作物の栽培課程でエタノールから得られるエネルギーのおよそ8割分を消費してしまう課題もある。製造過程でエネルギーを使うということは余分な二酸化炭素(CO2)の発生も意味する。
いち早くエタノール燃料が普及したブラジルには余剰なサトウキビを活用する目的があった。ところが今や食料需要の増大だけで農産物需給は逼迫しつつある。
米国では今年度、トウモロコシのエタノール向け需要が21億ブッシェル強と輸出量にほぼ並ぶ。在庫減少からトウモロコシ価格は1ブッシェル4ドル台と史上最高値( 5.5ドル台)を記録した1996年以来の水準に上昇。米国内では穀物生産者が潤う一方で、トウモロコシを飼料に使う畜産農家が悲鳴を上げる。畜産農家はブッシュ大統領の地盤であるテキサス州にも多く、米政府は「トウモロコシでは
なく廃木材などを原料に」などと表明している。
米国内での増産には限界があるため内需の増加は輸出余力を低下させる。中国が輸出国から輸入国に変わるのも時間の問題とみられ、国際需給はさらに引き締まる公算が大きい。原料高は食品業界だけでなく、エタノール生産にも採算悪化となって跳ね返る。しかも影響は価格上昇にとどまらない。米国の遺伝子組み換え品種の作付面積はトウモロコシで6割、大豆で9割近くに上昇した。高値は生
産者に単位収量の多い遺伝子組み換え品種への転換を促す。日本の食品・飲料メーカーが求める非組み換え(non—GMO)品種の確保は難しくなる可能性が高い。
日本や欧州がバイオ燃料導入を急ぐのには、京都議定書がバイオ燃料を温暖化 ガスの削減として認めていることが大きい。京都議定書が目指す削減目標(日本の場合は1990年比で6%減)の算定(2008—12年の平均)は来年から始まる。
石油需要が増える中で環境負荷の少ない代替燃料の開発が不可欠なことは言うまでもない。だがバイオ燃料の台頭はこれまで関係の薄かった石油市場と農産物市場を結びつけ、価格の連動性を強めている。バイオ燃料を大量に輸入してでも各国が石油消費や温暖化ガスの削減目標達成を急ぐと、市場に副作用を招き、影響は食品高にとどまらない。輸出需要の増大と高値に引かれて南米や東南アジアが増産に走り、バイオ燃料への傾斜が貴重な熱帯雨林を耕作地に変えてしまう事態さえ考えられる。


インドネシア、バイオ燃料技術でブラジルから支援
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070316AT2M1602216032007.html
【ジャカルタ=代慶達也】インドネシア政府は16日、バイオ燃料分野でブラジル農業省から技術協力を受けることで合意した。ユドヨノ大統領は豊富な植物資源を活用してアジア最大のバイオ燃料資源大国になることを目指しており、世界最大級のバイオエタノール生産国ブラジルに支援を求めていた。
両国の農業相は同日にジャカルタでバイオ燃料の技術協力で調印した。ブラジル農業省からサトウキビの大量栽培方法やバイオエタノールの生産技術を取得。
複数の試験工場を建設し、エタノール生産の普及を促す。インドネシアでは、中国海洋石油など内外の企業約50社超がバイオ燃料分野で総額124億ドルの投資を表明。伊藤忠商事など日系商社は日本への輸出も検討している。